ドイツ滞在記
■ 4月5日 金曜日 「また来るぞ〜」
登場人物解説
- Jさん:居候させてもらっていたホンジュラスのおじさん。熱心なキリスト教徒。
居候させてもらったJさんの家で、荷物を全部まとめ、Jさんの妻に別れを告げ、車で駅まで送ってもらった。彼はホームまで見送りに来てくれ、わしの日本への旅の無事を祈ってくれた。涙が止まらなかった。列車のドアが閉まる直前まで、(日本ではおかしいけど)抱き合ってお礼を言った。そして、ついに2か月に渡るゲッティンゲンの生活に別れを告げた。車内でもずっと泣いてた。2か月前、不安と期待を胸に乗ってきた列車が、今、たくさんの思い出を乗せて逆に走っている。カッセルに停車。大雪に降られてイヤな思いをしたっけ。フルダに停車。メガネが壊れてたから街まで行かなかった。ハーナウ(Hanau)を通過。ドイツに来て初めて乗ったSバーンはハーナウ行きだった。ハナウと読むのかと思ったらハーナウで、読み方難しいなあと思った。そんな思い出にひたりつつ、フランクフルトに到着。Sバーンに乗って空港へ。また思い出にひたる。来た時は2月、朝8時くらいだったのにようやく明るくなるという頃で、アウトバーンの車はみんなライトを付けて走ってた。ヨーロッパは危険なところだと思って、誰にも取られまいと一生懸命かばんから手を離さないようにしてた。2か月いただけで、こんなに見方が変わるなんて、全く考えなかった。
空港まで来ると日常から離れた気がして、少し悲しさもおさまった。チェックインをして、出国手続きを無事に済ませ、いよいよ搭乗、という直前で日本の家族に電話した。ドイツ滞在中はじめて。急に日本が近くなった気がした。まだマレーシアを経由しなければいけないが。
いよいよ飛行機に乗り込んだ。隣の人はタイの人で、ドイツの大学で医学を勉強してタイに戻るところらしい。離陸前からずっとしゃべっていたが、さすがに離陸のときだけはわしはずっと窓から外を見てた。お世話になりました、ドイツ。またきっとすぐに来ることがあるでしょう。いや、絶対来る。その時はよろしく。ドイツで出会った人、みんな元気でいて下さい。さようなら。
ドイツを離れてしまえば次はマレーシアモード。いつまでも悲しんでいても仕方ないので、隣のおっちゃんと話をしたり、機内誌でマレーシアについての記事を読んだりして、クアラルンプールでどうやって楽しく過ごそうか考えた。そのうち眠りについた。
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最終更新日 2006年12月13日
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