ドイツで使える鉄道パス
日本で準備できるパス類は、とてもお値打ちで便利です。
■ ユーレイルパス・ジャーマンレイルパス
ドイツで使用可能な鉄道パスはたくさんあり、ややこしいと思われる方もいらっしゃるかもしれないので、ここでは整理してご紹介しましょう。
年齢 | タイプ | 人数 | ヨーロッパ旅行なら 「ユーレイル」 | 数か国を旅するなら 「ユーレイルセレクト」 | 西ヨーロッパ中心なら 「ユーロ」 | ドイツだけなら 「ジャーマン」 |
成人パス (26歳以上) | 連続使用 | 1人用 | ユーレイルパス 1等 | | | |
2人用 | ユーレイルセーバーパス 1等 | | | |
フレキシー | 1人用 | ユーレイルフレキシーパス 1等 | ユーレイルセレクトパス 1等 | ユーロパス 1等 | ジャーマンレイルパス 1等・2等 |
2人用 | ユーレイルセーバーフレキシーパス 1等 | ユーレイルセレクトセーバーパス 1等 | ユーロセーバーパス 1等 | ジャーマンレイルツインパス 1等・2等 |
ユースパス (12〜25歳) | 連続使用 | 1人用 | ユーレイルユースパス 2等 | | | |
フレキシー | 2人用 | ユーレイルフレキシーユースパス 2等 | ユーレイルセレクトユースパス 2等 | ユーロユースパス 2等 | ジャーマンレイルユースパス 2等 |
ううむ、読みにくいか(笑)。
すべてのパス共通
- セーバーパスは2名以上同一行動のパスです。料金は1人ずつの計算になりますが、同時に購入・使用しなければなりません。ツインパスは2人用で、料金は2人分で表示されています。
- 使用開始日のみ駅の窓口へ行き、使用開始日、終了日、パスポート番号を係員に記入してもらい、ヴァリデーションのスタンプを押してもらいましょう。そのあとは連続使用タイプは手続き不要、フレキシータイプは乗車日ごとに自分で日付を書き込みます。一度手続きをすればいちいち窓口へ行く必要はありません。日付を書き込まずに乗車すると罰金の対象です。
- 検札の場合にパスポートを提示するよう言われれば、パスポートも提示しましょう。ただし、ドイツ国内ではほとんど言われません。
- 座席の予約は別に予約券が必要です。予約する際にパスを所持していることを告げ予約券だけを買いましょう。簡易寝台・寝台には予約・寝台券が必要です。
- 2等のパスで1等車に乗る場合は差額が必要です。ただし基本的にどの列車にも2等車は連結されています。
- 通用期間の変更・延長はできません。
- ドイツ国内で利用できるのは、
- ICE, IC, ECなど、特急を含むすべての列車
- ライン川(ケルン−マインツ)、モーゼル川(コブレンツ−コッヘム)の船
- ロマンチック街道、古城街道のバス(これは割引)
で、ICE SprinterやMetropolitan Express Trainには座席指定料が含まれた特別料金が必要です。CityNightLineをはじめ寝台車を利用するには寝台券が必要です。
- パスはドイツ国内の大きな駅でも買えますが、日本の旅行会社などで買っていったほうが安くて安心でしょう。
参考→www.eurail.com>Where to buy
- 価格は為替変動があるので旅行会社等で確認して下さい。
「ユーレイル」欄のパス
- 通用国:オーストリア・ベルギー・デンマーク・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ノルウェー・ポルトガル・スペイン・スウェーデン・スイス・ギリシャ・フィンランド・ハンガリーの17か国
- 期 間:15日・21日・1か月・2か月・3か月
フレキシーパスは10日・15日でヴァリデーションから2か月以内、発行日から6か月以内に使用する
「ユーレイルセレクト」の欄のパス
- 通用国:オーストリア・ベルギー・デンマーク・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ノルウェー・ポルトガル・スペイン・スウェーデン・スイス・ギリシャ・フィンランド・ハンガリーの17か国の中から隣接する3か国
ドイツと接しているのはオーストリア・ベネルクス・デンマーク・フィンランド・フランス・スウェーデン・スイス
- 期 間:5日・6日・8日・10日でヴァリデーションから2ヶ月以内、発行日から6か月以内に使用する
「ユーロ」の欄のパス
- 通用国:基本5か国 フランス・イタリア・スイス・ドイツ・スペイン
別料金でオーストリア(ハンガリーを含む)・ベネルクス・ポルトガル・ギリシャのうちから最大2か国まで追加可能
- 期 間:5日・6日・8日・10日・15日でヴァリデーションから2か月以内、発行日から6か月以内に使用する
「ジャーマン」の欄のパス
- 通用国:ドイツ国内のみ
- 期 間:4日〜10日でヴァリデーションから1か月以内、発行日から3か月以内に使用する
- オーストリアのザルツブルク、スイスのバーゼル(Basel Bad Bf)まで有効
※Thalys(タリス:Köln−Brussels−Paris)、TGV(フランスの高速列車)、Eurostar(ユーロスター:London−Paris, Brussels)、Cisalpino(チサルピーノ:イタリアの特急列車)など、ドイツ以外の鉄道の特急列車にはほとんどの場合座席指定料が含まれた追加料金が必要です。乗車前に必ず予約するようにしましょう。
■ 1日乗り放題のきっぷ
ドイツで発売されている1日券にもいろいろな種類があります。ドイツではできるだけ1枚のきっぷで便利に公共交通機関を利用してもらおうという考えがあるので、以下のようなきっぷを使うと効率よく移動でき、見知らぬ土地でいちいちきっぷを買ったりする必要がなく、複数人で移動したり都市内での移動には非常に便利です。
きっぷの種類 | ねだん | 利用日 | グループ利用 | 利用範囲 | ICE | IC,EC | RE,RB | S-Bahn | 地下鉄・バス | 備考 |
週末きっぷ | 39〜42.9ユーロ | 土曜・日曜 | 5人まで | ドイツ全国・ポーランド一部 | × | × | ○ | ○ | △ | 1等車は× |
各州の乗り放題きっぷ | 25ユーロ〜 | 平日:9時〜翌日3時 土日:0時〜翌日3時 | 5人まで | 各州内 | × | × | ○ | ○ | △ | 1等車は× |
1日券、24時間券 | バラバラ | 定められた期間 | バラバラ | 定められた範囲 | × | × | △ | △ | △ | 一概には言えない |
ドイツどこでもきっぷ(?) Das Quer-durchs-Land-Ticket
日本の「青春18きっぷ」のようなもので、ドイツ全国の鈍行のみ利用できます。2人目〜5人目までは1人あたり8ユーロで追加できるため、グループで人数が多いほど割安になります。
詳しくはこちら。
- 使用可能日:月曜〜金曜
- 有効期間:1日(午前9時から翌日午前3時まで有効。祝日の場合は午前0時から翌日午後3時までの27時間)
- 利用可能列車:ドイツ鉄道(DB)が運行するいわゆる「鈍行」(IRE, RE, RB, SE, S-Bahn)の2等車。
- 利用可能範囲:ドイツ全国、ドイツ近隣諸国の一部。
- 発売場所:駅の窓口、自動券売機、インターネット
- ねだん:44ユーロ(インターネットでの事前購入) / 46ユーロ(窓口での購入)
2人目〜5人目までは、1人あたり8ユーロで追加可能 (例えば3人の場合、合計で44+8+8=60ユーロ)
ただし使用開始後の人数変更はできません。
15歳以下の自身の子供・孫は大人1人に対し1人無料、ただし大人2人まで。
週末きっぷ Schönes-Wochenende-Ticket
週末の1日乗り放題には、さらに安いきっぷがあります。こちらは5人まで同じ値段で使うことができます。少しずつ値上がりしていますね・・・。
詳しくはこちら。
- 使用可能日:土曜・日曜
- 有効期間:1日(午前0時から翌日午前3時まで有効)
- 利用可能列車:ドイツ鉄道(DB)が運行するいわゆる「鈍行」(IRE, RE, RB, SE, S-Bahn)の2等車。
- 利用可能範囲:ドイツ全国、ドイツ近隣諸国の一部。
多くの都市では路面電車、地下鉄、バスも利用可能。
- 発売場所:駅の窓口、自動券売機、インターネット
- 人数:最大5人まで使用可能(同一行程に限る)
- ねだん:40ユーロ(インターネットでの事前購入) / 42ユーロ(窓口での購入)
2人目〜5人目までは、1人あたり4ユーロで追加可能 (例えば3人の場合、合計で40+4+4=48ユーロ)
ただし使用開始後の人数変更はできません。
各州の乗り放題きっぷ
週末きっぷと似たきっぷですが、こちらは各州ごとに発行され、州内でのみ有効です。平日は午前9時から翌日午前3時まで、土日は午前0時から翌日午前3時まで(つまり27時間)鈍行が乗り放題です。これもグループで利用できます。
詳しくはこちら。州によってお得な1人用があったり1等車用があったりします。
- 有効期間:平日:午前9時から翌日午前3時まで、土日:午前0時から翌日午前3時まで
- 利用可能列車:いわゆる「鈍行」(IRE:InterRegioExpress, RE:RegionalExpress, RB:RegionalBahn, SE:StadtExpress, S-Bahn)の2等車
いくつかの都市では路面電車、地下鉄、バスも利用可能
- 発売場所:駅の窓口、自動券売機
- 人数:最大5人まで使用可能(同一行程に限る)
- ねだん:20ユーロ〜(州によって異なる。州内の路線延長によって決められているようです)
窓口で買うと自動販売機より高くなるケースが多いです。
1日券・24時間券など
多くの都市、交通連合では1日券のようなものを発売しています。多くの場合、一日券、24時間券、3日券のどれかはあります。乗る都度きっぷを買う手間がないだけでなく、かなりおトクで、3回から4回乗るだけでたいていもとは取れます。また、美術館や施設の割引が付いているものや、グループで買うとさらに割引になるものもあります。一つの都市、地域に一定の期間滞在するなら、これらを使うと安く移動できます。鉄道、地下鉄、バスなどの自動券売機、一部のバスの運転手からで買うことができます。窓口で買う場合もあります。
■ バーンカード BahnCard
このカードを持っていれば、国内のすべてのきっぷが割引で買えます。ドイツに長期滞在する方におすすめ。
- 有効期間:1年間 (注意:自動更新のためやめたいときには申請が必要)
- 対象区間:国内のすべての区間(国際区間については割引があります)
- 申し込み:駅の窓口またはインターネット
- ねだん:BahnCard 25 (普通運賃の25%引)…1等車用125ユーロ 2等車用62ユーロ
BahnCard 50 (普通運賃の50%引)…1等車用515ユーロ 2等車用255ユーロ
BahnCard 100 (普通運賃の100%引!)…1等車用6890ユーロ 2等車用4090ユーロ
- その他
・17歳以下、60歳以上の方などは割引カードが作れます。
BahnCard25:1等車用81ユーロ 2等車用41ユーロ
Bahncard50:1等車用252ユーロ 2等車用127ユーロ
・BahnCardを持っている人の妻または夫も、割引カードと同じ値段で作れます。
・BahnCard25を持っている人の17歳以下の子どもは、10ユーロで作れます。
BahnCard100の発行には写真が必要です。
カード所持者は40以上の都市で中央駅などから市内までの運賃がただになるCity-Ticketという制度もあります。日本では一般的な「千葉→大阪市内」のような制度で、移動距離が100キロ以上離れていて、到着地にCity-Ticketの設定があるのが条件です。日本と違う点は、定められた範囲内までであればDBの路線だけでなく地下鉄や路面電車も利用できること、そして出発地では適用できないということです。
このカードで買ったきっぷで旅行する場合は、常にこのカードを携帯していなければなりません。(検札のときに提示を求められます)
クレジットカードタイプもあったり、ポイントシステムなどもありますが、その他条件も含め詳細はホームページを確認していただくか、メールください。
最終更新日 2016年4月4日
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