大阪〜名古屋のJR運賃研究
JRの運賃について研究してみました。他にも方法はあると思いますが、とりあえず。
〜とりあえず基本〜
大阪〜名古屋と移動するとき、ふつうに窓口に行ってきっぷを買うと、この区間の距離(営業キロという)が190.4キロであることをもとに、片道3,410円というきっぷが発行されます。新幹線で行っても在来線で行っても乗車券の値段は同じです。
学割を使えば2割引になるので片道2,720円です。往復割引は適用されないので往復するときは単純に片道の倍、つまり6,820円(学割5,440円)です。
これがなんとか安くならないか、を考えるページです。もちろん不正な手段ではなく、きっちりと支払ったうえでの話です。
ただ、あれこれ書いても「青春18きっぷ」をうまく使えばそれが一番安いのですが…(期間限定ではありますがね)。
■ 分割して買う
分割すると安い??
この区間のうち、大阪〜京都と岐阜〜名古屋は、私鉄との競合区間ということで特別に運賃が安く設定されています。具体的には、大阪〜京都は42.8キロで本来は720円になるはずが570円に、岐阜〜名古屋は30.3キロで本来は580円のはずが470円と設定されており、かなり安いです。
また、JRの運賃は純粋に距離に比例するのではなく、例えば「51キロから60キロまではこの値段」というように同じ値段でも距離には幅があります。これらの特徴をうまく使い、少々面倒ですがきっぷを3枚に分割してみます。
(カッコ内は学割の場合。学割は101キロ以上の場合に適用なので、ここでは京都−岐阜のみ)
大阪−京都:570円
京都−岐阜:1,980円(1,580円)
岐阜−名古屋:470円
これらを合算すると、570+1,980+470=3,020円となり、1枚のきっぷで買う場合(3,410円)と比べると390円も得します。学割なら570+1,580+470=2,620円で、こちらも100円の得です。
買い方
面倒ですが、駅の「指定席券売機」や「みどりの券売機」で3区間のきっぷを別々に買うか、JRのきっぷを扱っている旅行会社で頼みましょう。
最初に買っておかないと、改札を出て買いなおす必要があります。乗り越し精算では安くならないので注意が必要です。
注意点
この買い方・使い方は特に難しいことはないと思いますが、少し条件を変えただけでかなり値段が変わってくることもあるので、細かい点はメールで連絡ください。なお、事前にきっぷを買っておけば、新大阪〜名古屋は新幹線を利用することもできます。
■ 方向変更
※この方法は確かにできますが私はやったことはありません。
方向変更とは
方向変更とは、きっぷを使い始めてから(旅行を開始してから)きっぷの効力を変更する乗車変更の一種で、最初にきっぷにあった区間の途中から別の経路に分岐して目的地を変更することです。例えば、もともと「大阪〜高松」というきっぷを「大阪〜広島」というきっぷに変更するような場合が当てはまります。
このときの計算方法は、旅客営業規則249条2項によれば、変更区間の運賃と原乗車券の不乗車区間との運賃を比較し不足分は収受、過剰分は払い戻ししないということになっています(ただし100キロ以内のきっぷの場合などは原乗車券の運賃と実際の乗車券の運賃を比較することになっている)。具体的には、東海道・山陽・瀬戸大橋経由の「大阪→高松」のきっぷを、東海道・山陽経由の「大阪→広島」のきっぷに変更した場合には、もとのきっぷで乗らない区間(岡山〜高松)と変更後に実際に乗る区間(岡山〜広島)を比較し、その差額を払うことになります。「大阪→高松」と「大阪→広島」の差額変更ではありません。
この規則をうまく活用すると、少し安くすることができることがあります。
名古屋から大阪への場合
まず、「名古屋→黄檗(おうばく、JR奈良線)」というきっぷ(2,640円)を買います。そのきっぷで改札を通り、使用開始。
途中で、途中駅の駅員もしくは車掌に「このきっぷを大阪までに変更してください」と申し出ます。そうすると、原券で乗車しなくなる区間(京都〜黄檗、240円)と変更後乗車することになる区間(京都〜大阪、570円)の運賃を比較し、570−240=330円を追加で払うことになります。
もともと名古屋からのきっぷに2,640円払っており、追加で330円払うと2,640+330=2,970円。普通にきっぷを買うより440円安くなります。
大阪から名古屋の場合
こちらはかなり複雑ですが特例があるので名古屋発の場合より安くなります。
まず「大阪→今庄(北陸線)」というきっぷ(2,640円)を買います。今庄に行くには湖西線(山科〜堅田〜近江塩津)と経由するルートと、東海道線+北陸線(山科〜米原〜近江塩津)を経由する2ルートがありますが、特例があり(規則69条)この区間を通るきっぷは実際の乗車経路にかかわらず湖西線経由で運賃を計算する(=このほうが距離が短く安い)ことになっています。よって「大阪→今庄」のきっぷは「大阪〜山科〜堅田〜近江塩津〜今庄」で計算されています。
そして途中でこのきっぷを名古屋までに変更してもらいます。実際の乗車経路から考えると原券で乗車しなくなる区間は山科〜今庄、変更して乗車することになるのは山科〜名古屋になり、この区間の差額を収受、ということになりそうです。
しかし、規則69条で定められている区間の途中駅が変更の開始になる場合には、規則250条で特定区間内の分岐駅からの変更になる、と定められているため、変更開始になる駅は山科ではなく米原になります。よって、原券(米原〜今庄、1,170円)と変更後の米原〜名古屋(1,340円)を比較することになります。
結果として、最初に払う2,640円+変更で払う(1,340−1,170=)170円=合計2,810円で済むことになります。
参考ページ:旅客営業規則第249・250条(http://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/07_syo/02_setsu/04.html)
旅客営業規則第69条(http://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/03_syo/01_setsu/03.html)
注意点
この方法は、規則を理解していなかったり駅員や車掌ともめたときに説明できなかったりするようなら使わないほうがいいです。この規則のことを知らない職員が多く、全区間の運賃を比較して差額を求めてきたり払い戻し扱いにしたりすることが多々あるようです。また、変更は駅の窓口でやるよりも車掌にやってもらったほうがすんなりといくことが多いようです。
このほか、関西線で行く(名古屋〜亀山〜大阪)という方法もありますが、時間がかかるわりに3,080円にしかならないです。これなら近鉄で行くほうが楽かと…。
最終更新日 2019年10月1日
[トップ]